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2024年2月北辰会冬季研修会

毎年私が所属している北辰会の冬季研修会が開催されるのであるが、コロナ禍で5年ぶりの開催となった。

 

(熱海の地で一泊二日、2月1・12日の日程で開催、北辰会HP参照ください。)

 

北辰会創始者の藤本蓮風会長は御年80歳で現在も多くの難病治療に携われ多くの患者の診療にあたり

鍼灸臨床に精力的に邁進されておられれる。

研修会の中では貴重な経験談をお話しされ若い鍼灸師にも大きく感銘を与えられた。

この年齢でこれほどの質と量の鍼灸臨床をされている先生はほとんどおられないと思います。

後進を指導、啓蒙頂き大いに感謝するところでありました。

 

懐かしい顔ぶれも見られて長いコロナ禍も落ちついた感じもありました。(10波が流行中ではありますが。)

風邪が治らない症例

六日前に大寒の日に表寒証を患うも、仕事が休めず全く治せず。
食欲なく、手足が大変消え切っている。熱、喉痛、咳などは
ないが殻がだるく、全く事務仕事がはかどらない。

脈は浮かず、脉力と幅はない。下は潤にて力がなく、白膩苔。
少陽病との鑑別が必要だが、」少陰病の麻黄附子細辛湯症と判ずる。

右の胞肓2寸8番鍼で横刺による温補法、30分置鍼。
手はかなり温まり、足もかなり温まる。脈は浮き気味になり、表位に寒邪が浮上し、悪寒が生じてくる。下の異常な潤いは取れて
神がでてくる。
左申脈にて表寒を解く。
かなり寒気が取れて、疲れがドッと出てくる。
帰宅して暖かくしてよく睡眠をとり入用を控えるよう養生指導。
明日が仕事が休みなのが幸いのタイミング。

咽頭炎や風邪・インフルエンザに関して

感染症に対しても東洋医学・鍼灸でも大いに治療効果がある場合が多い。

熱のきついような症状には連続して行う必要があるが、多くの場合効果があがることがほとんどである。

っ症状の軽いものでは治療中、治療直後に症状が消失する場合も多い。

 

但し寒型・熱型・混合型を鑑別師、病機の位置感染症が暴れている東洋医学的に分析し特定することが肝要であり、

また八津証する前の状態や体質ウィをよくよく考量に入れてÇ技量が出来れば本当に治療効果が高い治療法である。

本日も咽頭炎の患者さん。

精神疲労と飲食の不摂生があるベースのもとに熱型の外感病(感染症)にかかり来院。

右不容穴に治療後、即座に咽頭炎は消失

歯の痛みを訴える患者さん

本日の症例

腎陽虚の下肢の冷えで通院中の患者さん。
昨日より急に夜中にうずくような右上歯の奥の痛みを訴える。患部を除いても腫れはひどくなく軽度に発赤し、外見は腫れているが、触診では患部に熱感はない。

秋が深まり気温低下が腎陽虚に影響したと考え、右滑肉門に補法で刺鍼。
刺鍼中に急性の虚性の痛みは消失。

 

東洋医学では腎之臓と骨・歯・髄との関係性が強いとされるがそれが良く分かる症例

やいとはた

写真 参照URL:ヤイトハタ / Malabar grouper – The Sea cucumber Blog | なまこブログ (hatenablog.jp)

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戦前までは養生の為自宅で皮膚に直接灸をすえる人が多かったのであるがこの羽太は灸(やいと)羽太と漢字表記する様である。

ヤイトハタの特徴・見分け方 | 写真から探せる魚図鑑 (fishai.jp)☞こちらのサイトにこの坂についての詳しい説明があります。ご興味ある方は見てみてください。

さばき方や味について、水中を泳ぐ動画も添付されていて素敵なサイトですね!

鍼による清熱の一例

鍼は陰陽の片寄りー陰陽の不均衡を診断してそれを調整すれば高い効果が表れる。

先月の話ではあるが、ある患者さんが蜂窩織炎に罹患、過去にもしばしば同様の病にかかり抗生物質の服用一週間で治癒していた。

6月に入り蜂窩織炎を発症、皮膚科で抗生物質の処方を受け、発症後の翌日に来院。

八会穴髄会、三陽交 絶骨に瀉法にて清熱解毒方を行う。翌日には痛みが消失し、蜂窩織炎による皮膚症状も大幅に緩解しこんなに早く効果が出現したことに患者さん自身が大変驚かれてた様子。

 

 

 

坂本龍一氏が逝去される

今週はこのニュースが日本全国をにぎわした。

世界に通用する才能の星が一つ消えた。

YMOや忌野清志郎氏のと共演でものすごいインパクトであったが

その中で戦場のメリークリスマスの映画音楽を作成。幼心に才能の多彩さに驚いた記憶がよみがえる。

氏への憧れを抱きこの戦メリのテーマをピアノでなぞった小学生がどれだけいただだろうか?(私もそのひとりではあったが。)

その後は通名通り大学教授となり世界の民族音楽を研究、癌罹患後より後世のことを真剣に考え原発問題に取り組み

大いに発言し世間を啓蒙された。哀悼の意を表したい。

 

五十肩の石灰化による激痛の症例

コロナ禍の2021年余りに夜間痛が酷く耐えがたいと訴え患者さんが来院。

整形外科に五十肩で1年半治療とリハビリで通院も悪化の一途辿る。

賀損診断では腱板の石灰化が確定していた。以前通院されていた患者さんでが

当院の事を思い出し治療。気滞瘀血症としてあるツボを中心に治療、徐々に痛みは軽減し

整形外科を受診したところ石灰沈着消失の為首を傾げられる。

 

2023年3月いつもアレルギーを主として通院中の患者さん。あまりの激痛の為近所の整形外科受診、石灰沈着の症状の為、NSIDSの鎮痛剤、石灰分解薬を投与いただくも不変。

瘀血症として治療、一回で激痛は消失し安眠可能となる。以後治療を続け6回治療終了後に疼痛は完全に焼失し、肩関節の可動にても痛みの際限ないため

再度画像診断をしていただいたところ石灰沈着は消失。

手術をせずによろこばれる。非侵襲的で、痛みのある局所に治療するわけでもなく負担と恐怖感の少ない大変良い治療と自画自賛。

脊柱管狭窄症の患者さん(痛みと痹れ感)②

脊柱管狭窄症の患者さん

 

脊柱管狭窄症の診断をドクターから受けて

「治らない!」と一言。その翌日から朝のしびれが

始まり昼頃まで続き、また歩行が出来ない状態でした。

初診は肝鬱気滞>腎気虚証として後渓穴を3回治療したら

ほとんど朝のしびれの症状は消失しました。

医者の言葉は毒にも薬にもなります。

患者さんの利益を考えて言葉の重みを考えて発言していただきたいものです。

その後腎虚の治療を天井穴を数回治療にて

どんどん歩行距離が伸びて旅行に行くことが可能となり

ほとんど症状が出ない状態になった時点で

3-4か月継続している慢性の左中耳炎が治らないとのことで空間的な問題を意識して

左の滑肉門へ治療、(補腎)一診断で症状ほとんどなくなり

安定のために2度ほど治療を続けほぼ完治。

治癒とし経過を観察していただくことになりました。

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