自身の活動記録です。
大変遅くなりましたが、先月の2025年10月12日(日)第53回日本伝統鍼灸学会で自身のRA(慢性関節リウマチ)の症例の一般口演発表((一社)北辰会の奥村学術部長との共同発表)と日本内経医学会元会長、広島大学医学部東洋医学特別客員教授 宮川浩也先生 の御講演、
演題:「鍼の効果は心持で変わる」で座長を行ってきました。
鍼灸師自身の「心技体」特に心持ちの部分を非常に分かりやすくご講義され会場は多くの聴衆が集まり、鍼灸師の卵の先生やベテランの先生方にも大いに学びに、また自身の立ち位置の再確認になり意義深い講演となりました。
ご講演の最後に私の所属する(一社)北辰会会長 藤本蓮風先生へ臨床家としての大称賛を頂いたことも大変嬉しく(壇上(壇上でしたが)、大変貴重な機会を頂き日本伝統鍼灸学会および宮川浩也先生、北辰会の先生方に甚謝の意を表します。
我が国では文献上では古墳時代以降、大陸からの医学情報、医学技術が流入し、日本民族に合わせた中国医学をべーすにした日本的東洋医学が特に平安時代以降花開き、江戸時代で200年あまり最興隆、独自化し、解禁政策下、輸入されてきた西洋医学と対立、共存、相互刺激のもと交流発展しながら200年余りの時代が経過し、明治時代の東洋医学への政府からの廃絶運動、明治・大正時代の鍼灸・漢方の存続、復興運動、大陸との伝統医学交流の経て、戦時下の日本文化の再評価敗戦後のGHQ政策による西洋医学政策、二次大戦後の西洋科学万能主義の陰りと医療の資本主義化に対する大衆の不満、疑問、1972年米中、日中国交正常化、鍼麻酔ブームに伴う中医学のマスコミでの紹介、以降、中医学書籍の発刊ブーム、1990年代後半からの世界的経済グローバリズムの進展と中国の国家戦略による中医学教育の世界的普及、世界的なIT技術の拡散進展に伴った経済的グローバリズム進展と文化的グローバリズム進展の真っただ中、「日本鍼灸」の有り方がそれまで以上に問われるようになり議論が起こり、現在まで継続し今日の日本鍼灸があります。
今年は昭和100年、戦後80年の節目に当たる年であり、言わずもがな、愚策である国内外で大問題になっている民族対立問題と移民問題、資本主義経済グローバリズム進展がもたした経済対立やそれらに影響された国民の経済的分断問題、近年の社会保障、物価高等で国内も大きく揺れ動き続けている。
覇権主義や宗教的対立による世界情勢の大きな変化混迷に伴い、政治的混迷を極める我が国において、当然ながら、これからの日本鍼灸の在り方、日本の東洋医学の在り方が更に問われる時代となって来ている。
実効性のある医療を時代の疾病変化に合わせ乗り越えてきた歴史が東洋医学には存在し、これからの時代を見据え続け、現代西洋医学との関わりを見つめつつ、
日本国内の鍼灸全員が今後の鍼灸の在り方、人の健康観や死生観を真剣に考え、更に討論しなければならない時代に更になって来ている事をひしひしと感じる毎日である。
(残念ながら個人が出来る事も能力的にも時間的にも限定的であるが。)
以下、興味のある方は参照ください。
日本伝統鍼灸学会 概要
日本伝統鍼灸学会は、日本伝統鍼灸を専門的に研究する国内唯一の学術団体です。
日本伝統鍼灸とは、7世紀に中国から日本に紹介された中国伝統医学(TCM:Traditional Chinese Medicine)を、日本の先人たちが長年、日本の風土に適用させるべく努力を重ねて完成させた独自の医学体系、日本伝統医学に基づく治療法です。
1500年余りにわたって国内の多くの先人の貢献が積み重ねられた結果、日本伝統鍼灸は、中国からTCMを取り入れた韓国や他の東アジア諸国での鍼灸治療法と同様に、ほかのどの国で行われている鍼灸とも異なる特長を持つにいたりました。
日本伝統鍼灸法の最も際立った特長の一つは、他の鍼灸に比べてきわめて微弱な刺激の刺鍼や施灸を行う事です。
日本伝統鍼灸のこうした刺激の弱い施術法は、効果の面だけでなく、安全性の面でも他の施術法にはない可能性を秘めていると言えます。
実際、世界的な医学誌に掲載される鍼のRCT臨床研究では、多くの場合、微弱刺激による刺鍼は「ニセ鍼(Sham acupuncture)」として研究対象に設定されています。
特に、鍼管を押し当てるだけで刺鍼しない、鍼先は皮膚に接触させるものの刺入はしない研究セッティングにおける研究結果では「鍼治療とニセ鍼治療ともに効果があり、その効果に有意差はない(と同時にコントロール群に対しては両者とも有意に効果あり)」と結論づけられていることがしばしばあります。
本会のミッション・使命は以下の通り。
日本伝統鍼灸医学の確立によって世界の健康増進に資する
日本伝統鍼灸のより一層の発展と普及に貢献する
こうした使命を達成するために、日本伝統鍼灸学会では以下のような活動を通じて本会会員の学術上かつ臨床上の能力向上に努める。
- 学術大会の開催
- 研究助成
- 卒後教育
- 学術誌の発行
- 伝統鍼灸に関する他団体の活動支援
- 海外関連団体との人的物的な学術交流
学会の目的
- 中国古典医学を基礎とした、日本伝統鍼灸の、学術の構築
および、現実の医療に関わる鍼灸臨床学の確立。 - 伝統鍼灸の研究・教育、普及・啓蒙の活動を通し、日本の伝統鍼灸の発展。
日本伝統鍼灸の定義
『日本伝統鍼灸』とは、以下の概念をすべて含む。
- 中国医学思想
中国に発祥した医学思想を基礎とする。 - 日本の風土
日本の風土に培われてきた鍼灸医学である。 - 全身調整
全人的調整を治療目的とする。 - 手指の感覚
触覚を中心とした診断治療技術を重視する。
以下、来年度退会のリンクです。




今年は春の勢いが強く、啓蟄を過ぎてから筋肉の異常なつっぱりや足の肝胆の経絡の異常を伝えてくる患者さんが多い。

