こちらの患者さんは病因にて一週間入院点滴治療後、
顔面神経麻痺の症状は不変で耳の後面に痛みが残り現代西洋医学的には末梢神経性の顔面神経由来のベル麻痺もしくは細菌感染性のラムゼイハント症候分群の疑いで来院されました。
主訴に関しては日常のストレスの積み重ねから肝鬱気滞となり顔面麻痺を起こした状態と弁証しました。空間的偏在や総合的に証として肝胃不和の状態であることから背部の右の胃兪に初診時は鍼をしました。以後は空間の偏在が左を中心に前後上下に変化して、変化に合わせて適宜鍼する部位を変えて2回目終了後から耳の痛みの症状の変化が著明に表れ(NRS10→2)11回の治療の後ほぼ運動麻痺は消失した症例です。コロナ禍でオンライン上での仕事が多い中の症状によりストレスが多い病態でしたが、今は元気にお顔を出して仕事上の会議もこなしておられます。
当患者さんは、紹介の患者さんでしたが、インターネットで顔面神経麻痺の鍼治療を調べた際に顔面が鍼山になっている画像を見ておられましたので「これになるのか・・・?」と恐る恐るの来院でしたが顔面でない場所への一本鍼と聞いて安心して治療を受けられたことも精神的、肉体的緊張を生まずまさに少数鍼という方法論が有効的だったのではないか?と思います。